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南海トラフ地震に備える家づくり|構造設計と耐震性能をプロが徹底解説

2025/6/18

南海トラフ地震に備える家づくり|構造設計と耐震性能をプロが徹底解説

日本に住む私たちにとって、地震は決して他人事ではありません。

特に近年、政府や地震学者が警鐘を鳴らしているのが、「南海トラフ巨大地震」です。

発生すれば、M9クラス、震度7を超える揺れが広範囲に及ぶと想定されており、国民の命と生活を脅かす最大級の自然災害といわれています。

こうした現実に対し、私たち住宅会社ができること、それは「地震に強い家」を設計・施工することです。

この記事では、南海トラフ地震に備えた家づくりの考え方とともに、弊社が取り組んでいる許容応力度計算を用いた構造設計基準を超える耐震等級3、そして立体解析について、わかりやすく解説していきます。

1. 南海トラフ地震とは?

南海トラフ地震は、静岡県沖から九州沖にかけての南海トラフ沿いで発生する巨大地震のことを指します。

過去には100~150年周期で繰り返し発生しており、次回は「今後30年以内に70~80%の確率で発生する」ともいわれています。

想定される被害

  • 最大震度7以上
  • 津波の高さ最大30m
  • 死者最大32万人(最悪ケース)
  • 家屋全壊・半壊数百万棟規模

私たちの暮らしに与える影響は計り知れず、「防災は公助ではなく自助の時代」と言われる理由もここにあります。


2. 家づくりでできる南海トラフ地震対策とは?

地震に備える家づくりには、以下のような基本的な要素が求められます。

  • 地盤の強さを把握し、適切な基礎設計を行う
  • 構造計算に基づいたバランスの良い間取りを設計
  • 耐震等級3をベースとした構造強化
  • 揺れをいかに受け流し、吸収するかを考慮

弊社では、これらに加えて以下の3つの取り組みを通じて「命を守る家」の実現を目指しています。


3. 許容応力度計算を用いた構造設計

許容応力度計算とは?

木造住宅における構造計算には、大きく3つの種類があります。

種類内容精度
壁量計算壁の量だけで耐震性を判断簡易的
N値計算金物の強度や接合部を考慮中程度
許容応力度計算部材ごとの強度・応力・変形までを数値化して検証最も精密

弊社では全棟に「許容応力度計算」を導入し、地震の揺れに対してどの部材がどのくらいの力を受けるかを正確に数値化し、構造の過不足をなくす設計を行っています。

これにより、耐震性はもちろん、過剰設計によるコストの無駄も排除。

お客様にとって「安心」と「合理性」を両立させた住まいをご提供しています。

4. 基準を超える「耐震等級3」以上の家づくり

耐震等級は、住宅性能表示制度で定められた地震に対する強さの指標です。

等級特徴
耐震等級1建築基準法レベル(最低限)
耐震等級2等級1の1.25倍の耐震力(学校・病院レベル)
耐震等級3等級1の1.5倍の耐震力(消防署・警察署レベル)

弊社では、全棟で耐震等級3を標準化

これだけでも高い安全性を誇りますが、実は等級3にも幅があります

弊社では「等級3+α」を追求

許容応力度計算を用いることで、数値上の「最低ライン」ではなく、より実態に即した安全性の高い耐震等級3を設計。

結果として、「建築基準法の1.5倍」ではなく、実際には1.6〜1.8倍程度の構造強度を実現している物件も少なくありません。


5. 「立体解析」で見える、構造のバランスと強さ

立体解析とは?

建物の構造を3次元モデルで再現し、360度あらゆる方向からの揺れに対してどのような応力が加わるかを解析する技術です。

従来の構造設計(2D平面)では見落とされがちな以下の点も、立体解析で把握可能になります。

  • 建物のどこに負荷が集中しているか?
  • 柱・梁・筋交いの配置に偏りはないか?
  • 上下階の剛性バランスは適正か?

なぜ南海トラフに立体解析が重要なのか?

南海トラフ地震のような広範囲地震では、単一方向の揺れだけでなく、複雑な揺れ(長周期・縦揺れ・横揺れ)が同時に発生します。

立体解析を行うことで、こうした複雑な地震波にも対応可能な「ねじれに強い構造」「上下階のねじれ防止」を確保。

見た目にはわからない構造的な歪みや弱点を事前に補正できるのが大きな特徴です。

6. 目に見えない「安心」を、数値と設計で見える化

日本の住宅は、表面のデザインや間取りの良さが注目されがちですが、本当に大切なのは「構造の裏側」です。

弊社の取り組みで得られる安心

  • 精密な構造計算による安全性の見える化
  • 耐震等級3+αによる「家族の命を守る力」
  • 立体解析による想定外に備えたバランス設計

これらはすべて、「起こってからでは遅い」地震対策のために、あらかじめ投資しておくべき価値ある工程です。


7. まとめ|南海トラフは明日かもしれない。だから今、備える。

地震はいつ起こるか分かりません。

しかし、住宅の耐震性能は設計段階で決まります

だからこそ、家づくりにおいて「構造を軽視しないこと」が、将来の安心と安全につながるのです。

弊社では、以下の3つのポイントを柱に、地震に強い家づくりを徹底しています。

  1. 許容応力度計算による根拠ある構造設計
  2. 耐震等級3+αの圧倒的な安全性能
  3. 立体解析でバランスと実効性を検証

南海トラフ地震がもし明日起こっても、あなたの家が「大切な家族を守る場所」であるように。

私たちはそのための努力と技術を、これからも惜しみなく注いでまいります。

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